JAで住宅ローンを借りたとき、登録免許税が0.4%から0.15%に軽減されたり、つなぎがいらなかったりするらしい

※この記事を書いた2024年5月27日現在でのはなしです

JAの住宅ローン

不動産の売主業(土地の分譲や、中古マンションの買取再販など)をやっていますと、買主さんが利用する住宅ローンの金融機関へ行って、売買の決済をすることがほとんどです。

JAって聞くと「農協」のイメージですから、農協が貸してくれる住宅ローンというのは、農家が家を建てるときに利用するイメージを当初私はえがいていましたが、通常の銀行の住宅ローンのように、一般のお客様が住宅ローンを利用する際の選択肢の一つになっているようです。

別に農業に関わる仕事についていなくても、JAでは住宅ローンの審査に応じてくれます。

今回売買が成立して、買主さんが残代金を支払ってくれるときに、使われる金融機関がJAということで、決済の手続きの待ち時間に、なぜJAの住宅ローンを利用したのかを聞いてみました。

抵当権設定の登録免許税が0.4%から0.15%に軽減される

買主さんがJAを利用することになった理由の一つが登録免許税の軽減でした。

登録免許税というのは、不動産の登記をするときに課税される税金のことです。たとえば、所有権の名義を変更する所有権移転登記にも課税されますし、住宅ローンを借りると金融機関が抵当権を設定しますので、その設定のときにも登録免許税がかかります。


抵当権の設定 1000分の4

https://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/property/e08.htm 

財務省のホームページ記載のある通り、通常であれば抵当権設定の登録免許税は0.4%(1000分の4)になります。

ですがJA兵庫六甲のホームページをご覧いただくと

例)JA兵庫六甲で3,000万円を住宅ローン借入れした場合の抵当権登録免許税。
抵当権登録免許税計算方法 3,000万円×1.5/1000(税率)=45,000円
(保証機関により税率は異なります。)

https://www.ja-hyogorokko.jp/sp/mame/page01.html#03

と記載がされていて、登録免許税は0.4%ではなくて0.15%が適用されるようです。

ただ「保証機関により税率は異なります。」と書いてあるので、保証会社によっては、0.15%(1000分の1.5)にならないときもあるみたいです。

金利が安いのとどっちがいいのか

仮に5000万円の借り入れする場合の抵当権設定の登録免許税が、通常の場合とJAの特例が受けれる場合でどれだけ違うかを計算してみます。

5000万円 × 0.4% = 200,000円
5000万円 × 0.15% = 75,000円

になりますので、登録免許税の差額は125,000円になります。

そして金利ですが、

JAが 0.52%
SMBCが 0.345%

としますと、35年返済のそれぞれの支払額は、

JA 130,235円
SMBC 126,397円(差額3,838円)

になります。

これでほぼ答えが出ましたが、125,000円を差額の3,838円で割ります。

125,000円 ÷ 3,838円 = 32.56(以下切り捨て)

となりますので、33ヶ月目で登録免許税の差額分は取り戻せてしまいます。

同様に4,000万円の場合 32.56ヶ月
   3,000万円の場合 32.56ヶ月

となりますので、借入額によって変わるものではありませんでした。

なので、登録免許税が安いのは一つのアピールポイントでありますが、約3年でペイできてしまうので、長い目で見た場合は金利が安いほうがおトクなようですね。

土地の先行融資がなく、つなぎ融資を使うとき

土地を購入して、ハウスメーカーなどで建物を新築する場合、土地の名義を自分の名義に変更してから建築を始めないといけません。

建物が完成してから一括で実行される住宅ローンの場合は、土地の代金支払いの際に、いったんつなぎ融資を使う必要があります。

つなぎ融資の利率を仮に2.5%として同様に5,000万円の借入の場合をシュミレーションしてみます。

つなぎ融資の期間が6ヶ月と仮定し、必要な金利を2.5%、事務手数料を110,000円として計算してみますと、つなぎ融資に必要な費用のトータルは、

5,000万円 × 2.5% ÷ 2 = 625,000円 ・・・利息分
110,000円                 ・・・事務手数料

ということで、合計額は735,000円となります。

登録免許税の差額が125,000円ありますので、これを加算します。

625,000円 + 125,000円 = 860,000円

となります。

月々の差額3,838円で割りますと、

860,000円 ÷ 3,838円 = 224.07(以下切り捨て)

となり、225ヶ月目(18年と9ヶ月)になってようやく追いつきます。

35年ローンの18ヶ月と9ヶ月ですから、長期にはなりますが、それでも結局追いついてしまうということがわかりました。

金利が安いほうがやっぱりオトクなのですね。

まあでも、人によっては金利より「つなぎ融資なし」「登録免許税の特例が受けられる」ほうがオトクな場合もあるのかもしれません。(途中で売却するなど)

まとめ

土地を購入して建物を新築する場合は、

「金利が高いけど登録免許税が安い」

よりも、

「つなぎ融資を使わなくていい」

パターンのほうが金利などの負担が少なくなることがわかりました。

つなぎ融資を半年使うだけでも、その負担した金額を回収するのに相当な期間がかかることがわかりましたので、土地から行く場合は、分割実行をしてくれる金融機関を探すのが得策のようです。

分割実行で行ける金融機関を見つけたら、建物の計画をどこまで進めておかないといけないのかも同時に確認しておきましょう。

請負契約までしないといけないのであれば、建物の計画はかなりスピーディに進めないといけなくなります。

金銭的なことも重要ですが、人によってはスケジュールも重要視しないといけない場合もありますので、総合的な判断が求められそうです。

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